2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『宇宙を哲学する』

前著『パースの宇宙論』への入門編、基礎編といったあたりか。近代の自然哲学を現代科学とは完全に異質なものとしてあっさり切断してしまうのではなく、その離反と近接、連続と不連続を同時に視野におさめながら、しかし妥当的側面と容認しがたい側面との見…

宇治

散策。平等院近くのお店で抹茶豆腐なるものを食す。宇治神社、宇治上神社、源氏物語ミュージアムなどを訪ねる。篠田正浩が監督した映画「浮舟」(約20分)が上映されていたが、人形たち(ホリ・ヒロシ制作)のかもす妖しさに感嘆する。ところで宇治橋近くの…

『ヤンヤン 夏の想い出』『私のように美しい娘』

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『ヤンヤン 夏の想い出』 「私たちは似ている」と大田(映画の表記では一成尾形)がNJ(ウー・ニェンツェン 呉南峻)に言うのだが、嘘のつけない人間の苦しさや美しさをこんなふうにも描けるのだな。木漏れ日。家具などの部屋の調度。風船に水を入れること…

『アドルノの場所』『プリズメン』『アドルノ』

さて、アドルノの「自然史」という理念は、つねに新しいものの生起によって特徴づけられる人間の歴史的世界と、太古からそこにある反復する神話的な自然の世界とが、分かちがたく絡まりあっていることを、自然を歴史として、歴史を自然として把握するという…

『ライアー』『トーマス・クラウン・アフェアー』『ライアー ライアー』

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『ライアー』 騙し騙されるスリルよりは自己陶酔の、アブサンによる泥酔の、発作による前後不覚の感じがうまく出ている。呼吸や脈拍や血圧の変化を拾うポリグラフの針に代表されるいかにもアナログな動きが、しかし対照的に、離散的なかたちで結果する人間の…

寝屋川流域下水道飛行場南増補幹線(第3工区)下水管渠築造工事現場

見学。卒業生であるokmr組のnkym部長、trgc課長を中心に、他にも沢山の方々にお世話になる。深謝。最後は活発な質疑応答の時間になり、冥利だと喜んで下さる。胸をなで下ろした次第。

けっして折衷というのではなく

干し貝柱があったので、昨夜から戻しておいたのを、油抜きして一口大にした厚揚げと青梗菜とで炒めて中華風に仕上げる。ふだんは豚肉と合わせることが多いのだが、今夜は別の一品に使うことにして、その薄切りの豚肉に塩胡椒して小麦粉を塗し、ご近所のGさ…

『遊歩のグラフィスム』

名刺箱というBekanntschaftの迷宮の話から、ポルボウの断崖にあるダニ・カラヴァンによるモニュメント彫刻「パサージュ」まで。 人は他の存在と直接に知り合いとなる機縁は限られているから、とベンヤミンは考えた。迷宮の入口となる「原型としての知り合い…

『野いちご』『苺とチョコレート』『ストロベリー・ショートケイクス』

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『野いちご』 終わりではなく始まりをこそ描いた映画だろう。死を目前にした人間がやっと?変わる、その変化の兆しを描いて、見終わったあと、夢見のよかった目覚めを思わせてくれるような。老医師が名誉博士号授与式参列のためストックホルムからルンドへ自…

そうだったんだ

出会うべきものは、出会うべきときに、じつは出会っている。そのことに、気がつけるかどうか。(11月2日追記)駅への道を下っている。今夜あたりは冷えそうだなと思った瞬間、カラスの羽ばたきの音。そして重なる鳴き声。見上げると二羽のカラスがちょうど頭…