2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『マスク』

DVD

仮面は、よく知られているように、見せると同時に隠すものである。曝されていたものは覆われて、潜んでいたものが露わになる。『しあわせ』という映画でいえば、主人公(たち)がずっと撮り続けていたヴィデオ映像が再生されるとき、それはちょうど仮面と同…

踏み迷い

少年の母親と話す。進路に踏み迷っている少年。正直なところ、青年よりは少年が相応しい彼だ。夢を追う子供だが、じつは現実から逃げているだけではないか。心配する母親の気持ちは、他人ごとではなく、よくわかる。わかるのだがしかし、どこかで彼を信用し…

土星の影響から逃れるべく

モディリアーニと妻ジャンヌの物語展@大丸ミュージアム・梅田を覗く。MSK、MKKらと。誰にでもなれそうで、そして今にも自分自身になれそうだったけれど。ジャンヌ。目があって、目のないひと。某所で揚げたての天ぷらをほくほくいただく。

季節はずれの

かざぐるま。風のないときには息を吹きかけたり腕を振ったり走ったり。廻す。風車。少し苦しい。かぜ。風車が回ることではじめて風のあるのを知ることがある。まわる。回る風車。たいていは楽しそうに見える。喜び。くるくる。でも苦しんでいるようにも見え…

目覚めさせないもの、させるもの

先日、家人が借りてきたDVDで映画『エターナル・サンシャイン』を観た。記憶と恋愛を扱った佳編で*1、でもまさか、そのせいだとは思えないのだが、子供の頃に優しくしてくれた伯母が夢に出てきた。大きなモーターボートの模型も。それは彼女の連れあいが作っ…

豪雨

こんなに濡れたのは久しぶり。自転車のブレイキもほとんど効かなくなって、怖かった。雨は靴のなかにまで入り込んで、足指はねっとり。それでいて親指の付け根あたりは、靴下の繊維の格子でできた孔の一つ一つまでがくっきり感じられるのが面白い。靴の甲の…

『白昼の通り魔』『太陽の墓場』

DVD

女は死なない。「誰も見とらんかったら何も起こらんのと一緒や」。死ななかった女は犯される。田舎を出た女は再び犯される。女は問いかける。犯人に刑事に。女は問いかける。犯人の妻であり中学校の恩師でもある女に。「ワイはその戸籍を呑んだんか。ほんな…

京都へ

まだまだ夏の雲の下、午後から出張。途中河原に緑多き木津川に沿って堤のうえを北上し、京都市内の中学3校を訪ねる。カーラジオから流れてきたロシア語講座のコウノワカナ先生の声に、明け方耳にした虫たちの声が蘇り、涼むというか慰められる。久しぶりの…

哀悼

さみしさのきわみが とうとうそこまであなたを うたわせてしまったのか まっとうないかりをあなたは ことばにするだけでなく とおいきおくにかさねようともしていた