『カフカの「城」』『タイム・オブ・ザ・ウルフ』『隠された記憶』

Das getuermte Haus (Alfred Kubin)


最近見たもの。

  • カフカの「城」』(1997年、ミヒャエル・ハネケ)……延々と中絶。右から左へ、左から右へ。画面を横切り続ける測量技師K。開けのない限られた空間を切り取るカメラはまた移動と固定のバランスの妙でもって空虚で不条理な世界を描出する。小説に忠実な未完の
  • タイム・オブ・ザ・ウルフ』(2003年、ミヒャエル・ハネケ)……生きのびることと犠牲になること。魅入られたかのように炎に見入る少年は、やがて着ている服を脱ぎ始めるのだが…。そしてラストシ−ン、それはやはりだれかの目に映った光景なのだろうか。
  • 隠された記憶』(2005年、ミヒャエル・ハネケ)……疚しさとそれが見えなくさせるもの。独りにされ、裸に剥かれていく。誰とも共有できない自分だけが纏った衣服を、皮膚を、一枚、もう一枚と剥ぎ取られていくような。不安は募る。ヴィデオの撮影主体の不在こそが、盲点の存在を証している? 簡単には終わらないぞ、というラスト。