『マッチポイント』

「昔テニスボーイ」の憂鬱。ボールがネットの手前に落ちたように、指輪も欄干の手前に落ちたので、これはてっきりと思っていたら、反対の結果に。しかしピカレスクというには主人公が(ドストエフスキーの小説を読んでるのもそうだし、チャップリン『殺人狂時代』の主人公めいた言い訳をするのもそうだけど)どうにもヤワい。むろん、そんなことと運がもたらす結果は関係ない、ってことなんだろうけど。

  • ヒッチコックダイヤルMを廻せ』→同じ「昔テニスボーイ」の憂鬱なら、と思って再見。制御不能の欲望を持て余したあげくにパニクる浮気男より、最後までクールさを崩そうとしないゲームのプレイヤーとしての悪人(浮気され男)が好きかも。