『戦場のアリア』

埋葬のための一日があった。第一次大戦下フランス北部の戦線上に仏&スコットランド軍と独軍が対峙していた1914年12月24日。バグパイプと歌声(ベンノ・フユルマン)がきっかけで休戦が実現する。ミサ、アヴェ・マリアダイアン・クルーガー)、そして翌日の兵士たちの埋葬、サッカー。敵対する兵士たちのあいだに生まれた束の間の交流。しかし指揮官たちは恥さらしな臆病者として更迭される。仏軍における上官でもある父は子でもある部下オードベール中尉(ギョーム・カネ)に出世の道は断たれたと宣告する。スコットランド軍に従軍した神父(ゲイリー・ルイス)は十字架を首からはずす。ドイツ皇太子はホルストマイヤー中尉(ダニエル・ブリュール)の目の前で兵士のハモニカを踏みつける。それでも、父は子から生まれたばかりの孫の名前がアンリであると聞かされ、生き延びようと声をかけるし、貨車に詰め込まれた独軍兵士たちは声をそろえて歌う。史実をもとにした映画。
Merry Christmas』、2005年、仏・独・英・ベルギー・ルーマニア、クリスチャン・カリオン監督作品。