家茂参内に関する資料にまつわる思い出とともに

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岩波「図書」3月号にSOASでお世話になった日本学のジョン・ブリーン(John Breen)先生の文章が載っている。「イギリスの「王子文化」と『星の王子さま』」と題するもので、なぜ『星の王子さま』が児童文学の傑作としてイギリスに定着しなかったか、について(もちろん『星の王子さま』を児童文学の範疇に含めるかどうかについては留保しつつ)、比較文学的にというよりは、むしろ自分の個人的な経験をもとにしながら論じている。原因の考察以上に、わたしが個人的に面白く読んだのは、先生がぜひ読んでほしいと頼んだ3人の息子さんたちの反応である。長男トーマスさん(25歳、医師)「そんな時間はない、勘弁してくれ」、次男サイモンさん(23歳、画家)「ファンタスティック」、三男ニックさん(16歳)「イッツ、グレート」。そして彼のノートに‘Words are the source of all misunderstanding.’と書いてあるのを見つけた先生は、父親として「うれしい限り」と記す。あとがき「こぼればなし」によると、どうやら昨年三月に上野公園内の旧東京音楽学校奏楽堂で開催された「「星の王子さまの会」レクチャー・コンサート」における講演(原稿)のようだ。