『西田幾多郎』
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/06/21
- メディア: 単行本
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安藤礼二の「入門」を読んで「潜在性」「出来事」(ドゥルーズ)と「場所」「述語」(西田)が対応してんだと確認したり、小泉義之と檜垣立哉の対談を読んで、「器官なき身体」と「絶対無」との関係がよくわかんねえってことがわかったり。田中小実昌の「なやまない」にあった《わからなくて読んでると、もどかしく、うんざりし、たいくつする。ところが、わかりやすくても、たいくつした。》なんていう言葉に深く肯いたり。いや、こっちのほうがもっと腑に落ちたり。
ところが、ぼくはなやまなかったんだなあ。小説を読むのは好き、哲学もわからないのに好きだったが、なやまない。なやみたくても、なやめないんだから、しようがない。p82
でも西田のようには悩めない田中には最後に、矛盾のない神ではなく、イエスがでてくる。理屈でも信仰でもなく、まるごとの矛盾として。