『カヴァフィス全詩集』

この詩は同じ訳者(中井久夫)による「現代ギリシャ詩選」にもあるが、やはりこちらから引く。


カヴァフィス全詩集

カヴァフィス全詩集

大いなる拒絶をなせし者……
                           一九○一(九)


言わねばならぬ日がいつかは来る、
大いなる肯定さもなくば大いなる拒絶を。
いつでも肯定するこころの奴は一目でわかる。
して、肯定しつつ


          栄誉から栄誉へと迷わず前進する。
拒絶者は悔いぬ。もう一度聞かれても
「拒絶」というはずだ。拒絶こそ正解。
だが、この拒絶は下にひきずりおろしつづける、その者を、一生涯。