『PERFECT BLUE』『フライトプラン』『千年女優』

最近に見た３作。

PERFECT BLUE [DVD]

記憶や想像にも力っていう言い方がある。

フライトプラン [DVD]

自分が生きのびるためにあるはずのものが、かえって自分の生存を脅かすことにもなったり。

千年女優 [DVD]

かつて見たものを見ている？かつて聞いたものを聞いている？まさか。いまそこに見え、いまそこから聞こえているのに。

上の作品に直接関係するわけじゃないけど、『今昔物語』が「女」をけっこう取りあげていて、たとえば女の「力」については、巻二十三本朝「尾張国女伏美濃狐語第十七（をはりのくにのをむなみののきつねをぶくすることだいじふしち）」、同「尾張国女取返細畳語第十八（をはりのくにのをむなほそづくりをとりかへすことだいじふはち）」なんかがあったっけ。
「美濃の狐」と呼ばれる女は、狐を妻にした人の四代目の子孫にあたる百人力の大女。その美濃の狐をやっつける、からだの小さい、しかしこれまた怪力の女。彼女は船に積んだ熊葛で作った練鞭二十本でお仕置きをする（第十七）。
夫に着せた手織りの着物を上司に奪われたことを知った妻は、単身その屋敷に乗り込んで着物を取り戻すのだが、夫はその強すぎる力が呼び寄せる災厄を恐れた父母に命じられるまま、妻を離縁するのだった。故郷に帰った女だが、船乗りの男にからかわれ、仕方なく五百人力のそのチカラを見せつける（第十八）。