『宇宙戦争』『宇宙戦争』『宇宙戦争』


最近に見た3作(いずれも初見)。


宇宙戦争 [DVD]

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ジーン・バリー主演のこの映画は、もう50年以上も前の作だから、古臭くて見れないかも、と、ちょっと心配していたのだけれど、ぜんぜん、面白く見れました。
敵意のなさを示そうとして、白旗を振る人たちや聖書をかざす牧師さんが代表しているように、人間の善良さが前面に出ているのですが、無惨にもそれは裏切られてしまいますし、同時にヒーローも否定されているようです。
原爆さえ落とせば何とかなる、と考えたり、それがダメなら生物兵器で、と発想するところなど、53年当時の世界情勢がしのばれます(って、ちょっとはマシになった?)。
最後は、やはりというか、教会が砦になってはいるんですが、人間が作ったものが世界を救ったというのではなく、結末で明かされる原因から見ると、神が人間のために用意したものが、結局人間を救ったのだと、どうもそうみたいです。


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トム・クルーズって、どんな映画に出てもトム・クルーズっていう役をやってるでしょ」
これは、いつもお世話になっている散髪屋さんのお兄さんの言。
うん、そのとおりでした。
この映画では、むしろ自分勝手な人間の醜悪さが前面に出ていて(だからロビーの心の純真さが際立つのですが)、互いの間にある関係の溝を、未曾有の試練を乗り越えることで埋め合わせて、互いに理解しあえるまでが描かれています。
のっけから砦であるはずの教会が真っ二つにされて、はてさてどうなることやら、と結末が心配になりましたが、軍隊や兵器といった人間が作ったものではなく、神(あるいは自然)が人間を救うという構図は、他のいくつかの設定同様(乗物による逃走の挫折から、廃屋での攻撃をしのいで、最後は徒歩による再会場所への到着など)、旧作を踏襲していたのでした。
え?そんなことで?の、あの呆気ない結末さえそのままにしながら、ここまでリアルに現在を、パニックを、人間を、それぞれ描ききっているのには脱帽!
(人類が存在する前からタネが仕込まれていたという設定は、旧作にはない)
(それから、ダコタ・ファニングが見る川面を一体のボディが流れていく光景は、ちらっとロッセリーニを彷彿させたけど、死体はあとからあとから来るわ来るわで、「戦争三部作」以上に非情な描写になっていて、彼女が兄に教えられて、その感情を身体の動きでもって制御しようとするシーンと併せて印象的)


宇宙戦争 ウォー・オブ・ザ・ワールド [DVD]

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これは、……。