『ゆれる』

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@シネ・リーブル。
ver.1.0
揺れます、揺すぶられますよ、けっこうこれ、兄の香川照之が弟のオダギリジョーにいうでしょ、ズバッと本質をえぐって、それがおまえなんやて、あれなんかもう、まるっきしワイのことやないの、ほんま、自分を突きつけられたみたいで、どうしょう思たで、とか、いきなしピークのとこから始めてもたけど、どっちかいうたら高あい状態を長ごうキープしてるっちゅうの? ん? プラトー? まあそれでもええけど、切れそうで切れん、続けてく、つないでくいう感じ、その切るようなつなぐような役どころが、父親伊武雅刀の兄で弁護士役の蟹江敬三なんやけど、この兄弟もやっぱし色々あったんやね、しかしなんちゅうても検事役の木村祐一が、この人だけなんでか関西弁やねん、京大の近くの金平糖屋の筋向かいにある料理屋知っとる? あそこのご主人とよぉ似たしゃべり、で、ヤらしかったりオモロかったり、だんぜん喰うとんねん、これが、え? マーケティングやて? ま、それでもよろしやん、それから最後のほうで、これも兄と弟をつなぐ役をする新井浩文、感じ出してたなあ、ね、男の映画やろ、お母さん亡くなって、女のひと、うん、真木よう子死んで、少女かて赤い風船忘れたり、あとで気ぃついて泣いてまうよって、カンケーないか、これ、映画内映画はまあよぉあるパターンやけど、いちおう関係ある絵いうか、グラフィックの一致いうの、あれ、女とはつながらん、男とはつながるいうの強調しすぎやけどね、もう早よから女のひとが映画から締め出されたんはちょい残念やったけど、女の人が落ちるシーンそのものとか、風船、あれ子供用の椅子にしっかり括りつけられとったから、上に行こうにも行けんのよ、で、それが空に昇っていくとか、そんな映像がなかったのは、あれはあれでええのんよ、あ、そうやった、最後の最後に、兄弟をつなぐことになるんが、ふたりがもつ母親の記憶いうより、お母さんが記録した映像やいうのが、なんかええやん、監督西川美和


ver.2.0
M:ゆれたね。
S:ゆれた。
M:ヒトを信じたことがないって、まるでオレのことじゃん。
S:弟さんにも言われた? でもそれってキンダイブンガクの読み方ね。
M:オヤジが断つかと思ったら、つなぐんだよね、アニキが。
S:その兄さんも一度は切るし、弟もついには切ってしまうのに、それでもつながるのね。
M:つなぐでしょ、男たちが。弁護士はまあアレだけど、検事でさえ、あれは切るよりはつないでたし。
S:バイトのコもそうかな。あのコ、髪の変化だけじゃなくて、成長っていうか成熟みたいなものがちゃんと出てた、切れそうでキレないんだもん。
M:ね、だから男の映画っていったでしょ。
S:母親も亡くなり、女も死んで、…。でもやっぱり女の映画かな。死んだ女が二人を橋渡ししたんだし、最終的にお母さんの撮ったふぃるむが二人をつなぐんだから。どう、こわくなった? 女とは死なないとつながれないのよ、男は。
M:男と女の間には…
S:深ーい溝が、それも2本、…。


追記
えーと、原作を立ち読みする機会があったのですが(失礼!)、兄弟が手をつなぐ場面は、どうも父親が撮っているようなのです、はい。