『黒帯 KURO-OBI』

第七藝術劇場。オープニングのパロディだと思わせかねないほどにアツイ映像。ぷっと吹き出しそうになって、まてよ、本気らしいぞ、と。娯楽作品として強制される予定調和を自覚的に演じているようにも見える映画だが、そうしたお約束からはみだしそうになっているのが、本物の空手家の肉体、といっていいだろう。その立ち回りのスピードや技の切れは、撮影のテクニックや編集の効果といったものを忘れさせてしまうし、その居住まいや立ち姿の美しさは、模倣衝動を駆り立てる力を充分にもっている。大観役の中達也に柴原英賢役の夏木陽介の若かりし頃の、義龍役の八木明人にジャッキー・チェンの俤*1を見てしまうのは何かの錯覚だろうか。
2006年、長崎俊一監督作品。
公式サイトはこちら http://kuro-obi.cinemacafe.net/

*1:本当はひかる一平だったり