『ココシリ』

実話(1993-1996年のココシリ山岳隊 Kekexili Mountain Patrol−チベットカモシカの密猟者たちを追う民間パトロール隊の活動)に基づいた映画。その17日間に及ぶ追跡劇は、厳しい生存条件の下での矛盾に満ちた赤裸な人間(集団)の姿を浮き彫りにする。実際にはこのあと公的に森林警察が組織され、山岳パトロール隊は解散。現在はほとんどの国でチベットカモシカの売買は禁じられ、100万頭から1万頭にまで激減したココシリのカモシカも、3万頭までにその生息数が回復したという。わずかに一箇所だけに挟まれた降るような星空のシーンは、かつてアンナプルナの内院で見上げた夜空を彷彿させる。
『可可西里』、2004年、中、ルー・チューアン監督作品。