『金沢』

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朝から露天風呂。
和菓子(おぼろ月、加賀奴)。
兼六園金沢21世紀美術館
この美術館に入る前から男が屋上で手を広げているのには気がついていて、ラジオ体操でもしてるのかなと思ってたら、それがヤン・ファーブル「雲を測る男」。


浮かんでは消える
雲を測量し空の
地図を作製するために
手を広げている
足りない男
徒労ではないそこにあるのは
過剰な不足であるわたしもまた
空のように足りない
拳をつきあげ
雲を測ることで
充たされようとしているのは
空ではなく男でありいつまでも
満たされることのないわたしが
足りない空へと高く青く溶けてゆくそれでも


レアンドロ・エルリッヒの「レアンドロのプール」は、水の厚みのなさからくる光のあふれであり、だから水じゃなくて光のプールであり、視覚像を歪ませ曇らせるあの複雑な反射のない、反射まで反射してしまう表面のたゆたいというか、皮膜のゆらぎのかげであった。
ゲント現代美術館コレクションでは、パナマレンコ「三角飛行機P-1」、アルトゥール・バリオ「終わりのない」など。
石川近代文学館、室生犀星記念館犀川の花火大会。
ビール、ビール、そしてビール。

 蛇   室生犀星


蛇をながむるこころ蛇になる
ぎんいろの鋭き蛇になる
どくだみの花あをじろく
くされたる噴井の匂ひ蛇になる
君を思へば君がゆび
するするすると蛇になる